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ものづくりに適した国

日本という国はものづくりに適しているのだろうか。 東日本大震災の時、ふとそんなことが頭をよぎりました。 乏しい資源、地震、津波、台風、四季による温度変化 さらには山脈に囲まれている為、平野が広がるアフリカなどと比べ 視界も悪く高い視力を持った民族とは言えないでしょう。 ものを作るのには環境的に良い場所とは言えないかもしれません。 日本は自然災害のなかで文化や技術が発展してきました。 これは、「変化に対応する力」がある民族だと思います。 これだけ自然災害がある中で残されている文化財は 茶碗などの焼き物、紙に書かれた絵画、木材で出来た建物など 自然な状態では災害に対応できるとは考えにくいですね。 先人の技術者たちは自然を知ろうとし、どのようにすれば良いかを考え 結果としてそれらが現代に残っています。 今の日本のものづくり文化は 戦後の復興からものづくりで経済成長を成し遂げた という事だけではなさそうです。 古くから困難な状況でも、生きるために知恵を絞り、快適に暮らす方法を探してきたのでしょうね。 ものにあふれ、工夫する事を怠るようでは先人の技術者達に申し訳ありませんね。 これだけ、自然災害に遭いながらも技術力を構築してきた日本。 海外では起こりえないような現象も沢山経験してきていると思います。 つまり、地球の動きをよく知っている国なのかもしれないですね。 気付かないだけで、日本人は、人類のために出来る事が沢山あるのかもしれません。 私は、日本ほど人類のためになるものづくりに適した国はないと思います。

形には意味がある

入社5か月目の鶴窪君に初めて金型設計をお願いしている。 初めての設計だが2方スライド、飛び込みの押切がある上に スライド合わせはエッジという、加工するには嫌な形の金型になりそうです。 もともと設計職だったこともあり、設計知識やCADの操作は十分なのだが 金型職人になるためには「加工」を憶えなければいけません。 そこで現在まで、CADにはなるべく触れないようにして、手加工やNC工作機の操作をおぼえて 今では殆どの機械が扱える(触れる?)ところまで来ています。 金型設計の途中で、製品に必要だと思われるRが抜けているのでは・・・と気付きました。 ・衝撃が加わった時に力を分散する役割 ・根元につけて、補強の役割 ・挿入部分でスムーズに入るようにする為 など、機能的にRが必要な事があります。 今回は上記項目のいずれかに該当するRだったのですが、気付いてすぐに 客先の製品設計担当に連絡したところ、Rが抜けていた・・・という事でした。 すでに加工をしてしまっては、元に戻せないような形状もあるのですが、 加工に入る前に知らせる事が出来て、問題を初期の段階で回避できました。 嬉しいですね。 言われた物をそのまま作るのでもなく、自分のやり易いようにやるのでもなく、 私達の目的は「良品を作る事」ですね。 細かいことかもしれませんが、良品に1歩近づく提案といえるでしょう。 彼に与えた設計期限は2.5日。 まだ設計途中ですが、今回の仕事を通して他にも発見があれば 仕事をお願いした甲斐がありますね。 あ、もちろん設計確認は私がしっかりやりますので  (*'-'*)エヘヘ