2015年3月5日木曜日

技術を盗む〜文系・未経験者の新人が綴るシリーズ


活字で「盗む」と書くと物騒な感じもしますが、「自分の知らないことは見て盗むんだよ!」と先輩が言い放つ姿は、したたかで逞しい。。。



技術の向上と聞いて自分に経験があるのは、バスケやサッカーといったスポーツです。が、工場でのそれと自分が今までやってきたスポーツのそれとはどうも勝手が違います。

バスケやサッカーでは、人に手取り足取り教わったり、本や動画を繰り返し見たり、印象に残ったプレーをなんとなく真似しているうちに技を獲得していました。

しかし現場では機械や人のランニングコストというのが常に存在しています。また機械は特に高価で危険を伴うものです。
なのでいつも手取り足取り先輩を頼り続ける訳にはいかず、体育館やグラウンドでの自主練のように好き放題に使うのは経験の浅い作業者には難しい。

動画や本に頼るやり方も、あまり通用しません。製造業にとって技術は資産でしょうし、そもそも人気スポーツほどメジャーなものでもないからか、Youtubeや教則本に一部始終が大公開されてるものとは違う気がします。
しかも機械の種類や使用範囲もさまざま。自分で断片をかき集めるしかないのかな、という感じがします。
加えて加工や理系に親しんでいない僕には本や動画にでてくる言葉やもののいちいちが目新しく、理解に時間がかかるようです。。。


だから工場では「印象にのこったプレーをなんとなく真似する」を最大限強化する必要があるんだと思います。
しかも、技術を盗む機会というのは、二度三度とやってくるものではありません。なので「機を見るに敏」という慣用句さながら、機を敏感に探さなければならないし、見つけたら素早く反応しなければなりません。












何分おじいちゃんおばあちゃんに甘やかされながら育った末っ子の僕は、「技術を盗む」ためのどん欲さや集中力が足りず、新しいものとの出会いにはたいてい目を流しているだけだったようですが、最近になって、ようやく「盗み方」がわかってきました。

「盗み」に大事なポイントは主に二つ。

まず、じっ、と、見ること。
好奇心旺盛な子どもが初めてカブトムシの戦いを見るように、見惚れるのです。頭をからっぽにして、目を見開いて、じーっと。

そして、じっ、と見ている最中に、なにが分かったか、何が分かっていないかを問い続けること。

この「何が分かって分からないかを自問すること」は、かなり重要なキーポイントかつターニングポイントでした。
まず、説明書のように自分で自分に解説することによって、理解が深まります。
そして知識が足りないことよりも、ちんぷんかんぷんなものを見ているつもりだと見る気力が失せる、というのは人間の性として一番の壁なのではないでしょうか。
それが、「これはわかるがこれはわからん」という仕分けをしていくと、なんとなくハードルが下がるようです。集中力の注力ができますし、質問もできます。後で調べることもできます。


「見て盗む」、これをいろんな場面で使えるようになると本当におもしろい!自転車のタイヤやチューブの交換なんて、自転車やさんの作業をよく見たらとっても簡単でした。一度しっかり見て覚えたからもう二度とお店に頼まないでしょう。換気扇や水道管の修理もやってることはとても単純です。ハードルはもはや道具を揃えることだけ!

世の中覚えることだらけで、最近は楽しくてしょうがないんです!
工人としてまだまだ知識が足りない僕ですので、みなさん、たくさん盗ませてください!





ちょうど機械点検の日、会長の作業を拝見していたらその姿があまりにかっこよかったのでパシャリ。




室田完