2015年6月8日月曜日

刃物作り体験


6/7(日) 三条鍛冶道場に行ってきました。

三条鍛冶道場は北三条にある施設です。
今回は入門コースで切り出し、小刀つくりの体験として、鍛造、焼き入れ、研磨などの作業を体験させてもらいました。

三条鍛冶道場は以前、幕張メッセに出展していました。私は砥石やさんのブースで砥石を見ていた時に、たまたまそのブースに来ていた三条鍛冶集団の1人が、砥石の目利きをしてくれたのがきっかけでいつかこの体験コースに来たいと思っていました。

初級者コース、中級者コースもありますが、まずこの入門コースを受講しなければ、その先のコースは受講できません。


この先のコースに申し込むには、この入門コースを受講しなければなりません。

まずは刃物の形を作ります。


これから刃物なる素材を、800℃~900℃くらいまで熱し、ハンマーで叩いて形を作っていきます。鉄は熱いうちでないと形が作れず、どのような形にしたいかはっきりしたイメージがないと、手が動かせず、すぐに冷めてしまいます。

ハンマーで叩くときは打ち込む手は毎回同じように振り下ろしながら、刃物を動かして形を作っていきました。


鍛造である程度形を整えたら、~800℃くらいまで熱し、焼きなまします。

焼きなましの温度の確認は磁石を使います。磁石がつかなくなるくらいがちょうどよい焼きなましの温度です。熱した刃物は火の近くに置いておき、ゆっくりと冷ましていきます。
時折水をかけ、水の蒸発具合で温度を確認します。




次は刃物の裏を作ります。
あれだけ熱して叩いていた刃物は曲がってしまっています。
刃物の裏側はこれから刃を作るうえで、とても大切です。
まずは裏側を回転砥石でならして平坦を作ります。

ある程度ならし終えたら、軽く熱して叩いて刃の裏の形を整えていき、砥石で裏側を研ぎ、裏側の刃の部分が当たるかを確認します。


裏を作ったら、砥石やベルトサンダーで形を整えていきます。


注意すべきは鋼です。
鋼をなくしすぎてしまうと後で刃物として成立しなくなるので、鋼を削りすぎないように形を整えていきます。

ここで午前中の作業は終了です。

あっという間に過ぎていきました。



午後からは刃物の外形を整えていきました。
ある程度面を綺麗にしたら、叩いて(はたいて)形を整えていきます。
この時、鋼の反りの方向に注意するよう教えられました。鋼が内反りした場合、後で叩いて直そうと思っても、衝撃で刃が割れることがあるそうです。
そこで焼き入れ前に焼き入れしたときに内反りしてもいいように、あらかじめ外にそらせておきました。

反りを整えたら、次は砥の粉を塗って乾燥させます。


砥の粉は焼き入れした際に、熱の伝わりにムラがないようにするため塗ります。

乾燥したら、次は焼き入れです。
焼き入れは、800℃あたりまで熱して行います。この時も磁石を使いました。焼き入れする際、熱し過ぎないよう注意が必要で、色も確認しやすいように、暗室で焼き入れを行いました。


焼きが入ったら、一気に水に入れて急冷します。


焼き入れが終わったら今度は反りの調整をしました。
反りを修正するために、少し温めたところでハンマーで叩いて反りを直していきます。


この反りとりはとても難しく、仕上げは師範にやっていただきました。


反り取りが終わったところで、裏を平面にならします。
全体を慣らすのでなく、刃物がつく部分が平坦になるように砥石で慣らしていきます。


慣らし終えたら、大きな砥石に水を含ませ回転させ、刃の形状を作っていきます。
小さなグラインダーや乾式では、刃物が円形状に削れたり熱が伝わり焼きなまってしまうので、難しいと感じました。


刃の形状ができれば、今度は刃研ぎです。


と、その前に私はグラインダーで形状を作る際に、温度がかかりすぎてしまい、少しそってしまいました。本当に少しですが、これから刃物を砥石で砥ぐには影響が出ます。
先に書いた、内反りです。

そこで、師範にお願いして、慎重に反り取りをしてもらいました。


反り取りが終われば、今度は粗、中、仕上げ砥石で刃物を研いでいきます。

粗砥石で研ぐときにきちんと砥石を平坦にしながら砥がないと、刃物の形が変わってしまいます。しかも、研ぎ過ぎれば刃がなくなるので、粗砥石での刃研ぎが重要です。
中、仕上げはそれに倣う形で刃物を研いでいきます。

わかっているつもりでやってみると、平坦にしたつもりがなってなく、中仕上げ、仕上げに進んだところで気づき、やり直したりしました。

自分で砥いでも充分切れていたのですが、一カ所だけどうしても引っ掛かりが気になる個所があったので、師範に見てもらったら一瞬で修正されました。
刃を研ぐ角度こそ同じように見えましたが、砥石に残る研ぎあと(金属粉)は自分の刃物研ぎに出るものとは違っていたので、力の入れ方や手の運びが違うったのかもしれません。



みんなが帰った後、家から持ってきた包丁を研がせていただきました。

師範が刃物を研いでいた時の手の動き、指の当て方、腕の動かし方、足の位置を思い出しながらやってみましたが、刃が切れるはようには砥げるものの、思った通りにはいかず、練習が必要だと感じました。

今回の刃物作り、経験が必要な作業は師範に手伝ってもらいましたが、自分で作った刃物は愛着がわきます。












施設内は整理整頓清掃が行き届き、良いものづくりをする作業場のお手本でした。


このような貴重な体験をさせていただいた、三条鍛冶集団の皆さんには感謝です。
鍛造、反りとり、焼入れ、研ぎ、どれをとっても難しく、この難しい一連の作業を経験させてもらえたことが、今後のものづくりにでいきてくると思います。


知らなければその領域に近づくことすら出来ません。


家に帰ったら体中から鉄の匂いがしました。
鍛造や焼入れの際に、鉄粉が体についていたんでしょうね。

とても充実した体験でした。