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立体Rサンプルを作って配布

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 「立体で確認できる R サンプルを製作すれば設計者やデザイナーと認識のずれを減らせるはず」   そう考えた私はすぐに立体の R サンプルを製作しました。   ・ R のサンプルは一番使用頻度の多い R0.5 を中心値にして0 .1_0.2_0.3_0.4_0.5_1.0_1.5_2.0 の 8 種類が確認できる形状 ・机の中に入れても邪魔にならない名刺サイズ ・厚みも極力必要最低限にしつつ外角 R と根本 R が分かるサンプル ・ノベルティとして配るので会社のことを思い出してもらえるようロゴと電話番号を記載 ・持ち運びしやすいよう紐が通せる穴を設ける ・ヒケ(樹脂の収縮)が発生すると実際の大きさと異なるので肉厚 2.5mm 以上になる部分は裏側を肉抜き 立体Rサンプル表 立体Rサンプル裏 3Dモデルを作成した後、すぐに社内で金型製作に入りました。 出来上がった製品を見て、 R を立体確認するだけなら十分だなと感じました。   取引先のお客様のもとに足を運んだ際にこの R サンプルを渡して打ち合わせして、お客様にも「便利だね」と評価していただきました。 立体Rサンプル しかし、 R サンプルを渡したお客様から「なくしちゃったよ」という話を聞き、便利であっても大切にされないものを作るのでは、ごみを作っているのと同じであり私たちが目指す「捨てられないものづくり」と真逆であると気付きました。 Rサンプルを使う人に大切にしてもらえるようにしたいと考えました。 私たちはものを作る技術はありますが、使う人の気持ちに寄り添ったデザインを考えることは苦手でした。 その後もサンプルは配布し続けましたが製作した当初のようなポジティブな気持ちではなく、大切にされないのではないかというネガティブな気持ちを抱えていました。 「 BRANCHと一緒に再スタート 」につづく

Resiinaを作るきっかけ

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チョコレート型の立体サンプル「Resiina」は開発、製造を開始して今年でちょうど10年を迎えます。 そこでResiinaの製作時のお話を書いていきたいと思います。 今回は「なぜ立体サンプルが必要になったのか」についてのお話です。 この製品を作るきっかけは二つ問題を解決したいと思ったことでした。 ・出来上がりの製品の角のRやCがデザイナー、設計者が想像していたものと乖離があった ・加工コストを下げるためにRやCの大きさ変更を提案したが、提案先でイメージしきれず高コストな加工を行ったことがあった いずれも、良いものづくりをしたいと考えている設計者デザイナーと加工者にお互いにとって何とかしたい課題でした。 そもそも、図面や3Dモデルで形状確認はできているが 実際の大きさでRとCは正しく認識できているのか という事が気になりました。 PCで操作するCADで作成する図面や3Dモデルは拡大縮小が容易にできる モニター上では実物の大きさが把握しづらい 加工側の私たちは出来上がったものを目で見て、手で触って確認することができるため実際の大きさを把握できる機会があります。 しかし、設計者やデザイナーは現物を確認する機会が私たち加工者と比べて少ないことに気づきました。 そこで、お互いの認識を近づけるために 目で見て、手で触って確認ができる立体サンプルを作ることにしました 。 「 立体Rサンプルを作って配布 」につづく