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【御礼】かつしかライブファクトリー無事開催できました

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2019年10月26日に開催したかつしかライブファクトリーにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

弊社のワークショップに参加された皆様、見学にこられた皆様にも心より御礼を申し上げます。

今回のかつしかライブファクトリーというワークショップ型のオープンファクトリーは、葛飾区と三郷市の企業9社が集まり、それぞれの会社が運営費用を捻出して開催したイベントでした。


そもそも何のためにオープンファクトリーを実施するのか、私は実行委員長として開催の意義について考え、その理由も伝えてきましたが、会社の利益に直結するものではなく、実施の必要性をきちんと伝えるのが難しかったです。

声かけした葛飾区の町工場のうち、8社はこのイベントに賛同し、前向きに取り組み、何度も話し合いながらイベントを開催することが出来ました。


なぜ開催する必要があったのか
葛飾区の工場数は昭和54年の8100社を境に、減る一方で平成26年には2100社程度まで減少していました。現在は2000社を切っているといわれています。
減ってきた理由は様々ですが、生産拠点の海外シフトが最も大きな理由ではないかと考えています。

現在葛飾区に残っている町工場は、様々な危機的な要因や、数々の不況を乗り越えてきた技術がある会社ばかりです。そんな技術のある会社も近年では事業承継が上手くできず、廃業していく工場が後を絶ちません。
そんな状況に、現在残っている町工場は、みな危機感を感じています。

だからこそ、もっと私たちの取り組んでいる仕事について知ってもらう必要があると感じています。
普段見ることが出来ない町工場の技術を、広く知ってもらうことで、ものづくりの楽しさを知ってもらうと同時に、ものを作る工程にも触れてもらい、ものの価値を再確認して欲しいという想いがありました。

ものづくりの楽しさを知ってもらいたい
今回のイベントの醍醐味は、参加した方が自分の手で物を作る体験ができ、作ったものが持って帰れることです。自分の手を動かし、苦労して作ったものは愛着がわきます。
作ったものを持ち帰ることにより、自分の作ったものを見ながら体験したことを思い出すことが出来ます。

ワークショップでは、その道のプロがつくりかたを教えてくれます。
ものづくりのプロが日頃、どのような考えでものづくりに取り組んでいるかを間近で聞けるのも魅力のひとつだと思いま…

かつしかライブファクトリーのワークショップで製作するカップの準備【テスト成形】

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ワークショップの準備も大詰めです。

ワークショップで作られた金型は、成形機にセットし溶融した樹脂を流し込み、カップを成形します。

今回使用する材料はバイオBioPBS、自然界の土中の微生物の力で水と二酸化炭素に自然に分解される生分解性プラスチックです。
成形材料はペレット状のもので、一つ一つは米粒くらいの大きさです。


うっかり米粒と間違えて食べてしまいそうな見た目ですね。

成形材料を高温(200度前後)まで熱して金型に押し込み、しばらく冷やして固まった頃に金型から製品を取り出します。


ワークショップではこの成形作業も体験してもらいます。
ちょっとコツがいる成形方法なので社員が一緒に作業します。


取り出した成形品 毎回感じることなんですが、金型を作っている最中は、きちんとした製品が出来る金型かどうか不安ですが、実際に製品が出来上がるとなんだかうれしいんですよね。


そして、成形には色々な技術が必要です。
圧力、スピード、温度。
これからをコントロールして、製品が綺麗に出来る条件を探していきます。

この条件だしを、早く最適な状態を探せるかが技術者の腕の見せ所なんです。
弊社は、試作成形を数多く行っているので、この条件出しは得意なほうですが、今回の成形で成形条件だけでは良い製品にするのが難しく、金型の修正が必要なことがわかりました。

前もってテスト成形しておいて良かったです(安心)

参加された皆さんが楽しんでもらえるよう、社員一同準備しています。


杉山耕治

かつしかライブファクトリーのワークショップで製作するカップの準備【使用する部材】

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今回のワークショップは一回3時間で行うため、すべての加工ができません。
そこで、3時間以内に加工が完了できるよう、金型の材料を下加工をしています。


最初はプレート状の材料から形を作っていきます。





写真のような金属のプレートを、前回説明したワイヤー放電加工などで、外側の形状をくりぬいて形作っていきます。

前記事
《かつしかライブファクトリーのワークショップで製作するカップの準備【ワイヤー放電加工】》




各部品を精度良く加工すると、部品と部品の嵌め合いがピッタリ合います。
上の写真の穴と円筒は嵌め合う部品ですが、ガタつきがなく穴に円筒部品が入ります。

部品がきちんと嵌め合う精度で加工できたら今度は形状を彫り込んでいきます。

形状を作るには、マシニングセンタといわれる切削加工機や型彫放電加工機といわれる、電気で金属類を溶かす機械で形を作っていきます。


カップの形状がだんだんわかる金型になってきましたね。
金型は基本的には、除去加工で形を作ります。 ブロック状の材料から所定の形状を作っていくのですが削りすぎた場合はやり直すことも・・・
そのため、加工する際は除去しないように確認しながら、慎重に加工していきます。
今回のワークショップでは、この加工の一部と仕上げ加工も体験する予定です。

杉山耕治

かつしかライブファクトリーのワークショップで製作するカップの準備【ワイヤー放電加工】

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10月26日に実施する
かつしかライブファクトリー
https://www.katsushikalivefactory.com/

今回は当日実施するワークショップで使う材料のお話。

当日は3時間でワークショップ体験を行いますが、金型製作にかかわる全工程を実施するのは難しいため、事前に材料の準備などを行っています。


金型に使われる部材はワイヤー放電加工機で加工していきます。



ワイヤー放電加工機は線径0.25mmの真鍮製のワイヤーに電気を通しながら、金属類を溶かしながら狙った形状にくりぬいていく機械です。

下の写真で見える光は放電加工でスパークしている状態です。




使われる部材の精度は5μm(0.005mm)で作られています。

そんなに細かい精度で加工しなくても良いのではないか?
と疑問に思われる方もいるかもしれません。

射出成形用金型(プラスチック成形用金型)は精度よく作らなければならない理由があります。


それは製品の精度もさることながら、金型の性質が影響しています。

金型は分割して作って、最後に部品を組み付けて完成になります。
そのため、お互いの部品が0.001μmでも大きいと組めなくなります。
そこで各部品は、ほんの少しずつ小さく作らなければなりません。

しかし、お互い小さく作りすぎてしまうと、組んだときに隙間が生じ、溶かした樹脂が流れてきたときに隙間に入り込み、バリが発生してしまいます。

その隙間の許容値は樹脂にもよりますが0.02mm程度までです。
そのため、金型は精度よく作り組みあげ、適度なクリアランスがあるようにしなければなりません。



今回はかつしかライブファクトリーで2回ワークショップを実施するので、二回分の部材と事前に社内で検証するように+1個製作しています。

社員全員で、着々と準備を進めています。


おまけ
加工後、残った材料はこんな形になります。


杉山耕治