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精密板金加工屋さん連携でワークショップを開催しました

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先月、 海内工業 さんと共同でワークショップを実施しました。 私たちにとっては初めてのワークショップとなりました。 準備するときに私たちは色々考えました。 安全に作業してもらえるようにするにはどうしたらよいか。 加工が終わった時、何を感じて欲しいか。 作ったものを大切にしてもらうためにはどうすればよいか。 今回の経験が、体験した人にとって今後の役にたって欲しい。 様々な工作機械を用いて、工夫しながら加工をしてできあがった時の喜びは、経験してみなければわかりません。今回の企画は 海内工業 さんで、板金でつくるステンレスの箱に、ミヨシで文字彫刻をして名入れをするというもので、自動車関連企業勤務の若手エンジニアの皆さんが参加されました。 板金して立体にする前の方が、彫刻がしやすいため午前中はミヨシ、午後は 海内工業 さんに移動しての作業です。 ミヨシでは文字彫刻用に作った原版への穴あけと文字彫刻(切削加工)を行ってもらいました。 文字原版の例 原版は各個人の名前が彫ってあり、これを用いて彫刻をします。 この原版も使い終わったら、ネームプレートとして使えるように、プレートに穴をあける作業を行いました。 原版に穴をあける作業 文字彫刻の工程では彫刻機に原版をセットして 板金する前の板材に自分の名前を彫刻します。 この名前を彫刻するのが難しい・・・はずでしたが皆さん上手に加工していました。 初めての経験で時間も読めず、心配していましたが・・・ 皆さんすごい集中力で誰も怪我もミスもなく、私が言うのもなんですが大成功に終わったと思います。 工場見学中には色々な質問がありました。 日本のものづくりをもっと良くしたい。そんな想いがビシビシ伝わる質問ばかりです。 今回はワークショップ経験がある 海内工業 さんにリードしてもらいながらのワークショップでした。 私たちも得るものが多く、今後もこういう取り組みをやっていきたいと考えています。 海内工業 さん、参加されたエンジニアのみなさん、ありがとうございました。 弊社で加工した板金がどういう形で箱になったのかというと・・・海内工業さんで記事にしています。 そんな、 海内工業さんの記事 はこ

高木先生

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先日、横浜国立大学の高木先生がお越しになりました。 高木先生とは、大田区主催で行っている「大田区切削研削加工研究会」で知り合いました。 研究会では、コーディネーターとして会員から技術的課題を抽出し、工作機械、切削工具、ケミカルなど、議題に応じて講師を招いて下さてっています。 大田区切削研削加工研究会は加工のプロが集まります。 講演中でも聴講者は疑問に思ったことをどんどん質問する活発な会です。 自分の仕事に直結する内容が多く、とにかく直球な質問が飛び交います。 故に、他の人の質問が凄く貴重なこともあります。 高木先生は工場見学に来たのですが、工場内でも、着座して話をしていても、とにかく技術的な話が絶えませんでした。 工場見学中に金型の組付けをやっていた時の話です。 エジェクタピンのクリアランス調整で実際に触ってもらった時、20μmのクリアランスをピシャリとあてました。 実際に現場で働いていても、意識しないでものづくりをしている人には、数μmの違いを当てるのは難しいのではないかと思います。 研究者として、ものづくりが本当に好きなんだなと感じました。 高木先生と 手にしているのは献本して頂いた 「精密機械加工の原理」 です。 高木先生と東海大学の安永先生で共著された技術書です。 楽しい話の中にも問題提起もありました。 心配なのは加工技術を経験して(実際に見ていない)いない技術者が設計や企画をすることだそうです。私もそう思います。 会話の中で 穴ひとつとっても必要だからあいてるんですよね。 「なんでここに穴があいているんだろう」 そういった疑問を持つようになってほしいですね。 というのがありました。 意味もなく穴をあけるなんて稀でしょうね。 考えた人の視点を理解することも大切なんだと思います。 そういう視点でものを見ると、昔の人は凄いなぁ・・・と思うことがほとんどですけどw 他にも放電加工の理論や、モーターの進化、良い工作機械とは・・・といった話をしたり、先生からの技術的な質問も鋭く、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。 このメーカーのシャフトは鋼材の硬度が低く軟らかいんですよね~などのキラーパスも。。。w (事実その通りなんです)。 私は実際にものづくりをやっ

TOKYO DESIGNERS WEEK2013に行ってきました

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10/26(土)、開催初日にTOKYO DESIGNERS WEEK2013に行ってきました。 台風接近の影響もあり、人は思ったよりも多くなく夕方から行ったのですが見るにはちょうど良い感じでした。 まず最初に向かったのは、弊社も製作のお手伝いをしている、 RAPIRO ブースです。 私がいたときは、海外からの来場者、特に子供の多くが興味を持ってくれた上に、興奮してみてくれていたのが印象的でした。 今回は DICカラーデザイン さんにも弊社がお手伝いした製品が展示されています。 デザインは DICカラーデザイン 山本さん、D3テクスチャーの3Dデータ作成は ケイズデザインラボ の八島さん、金型製作と成形は弊社で行わせていただいた、テクスチャーのサンプルが展示されています。 デザイナー山本さんと 他にもケイズデザインラボさんのD3テクスチャーとして樫山金型さんで製作されたプレートも展示されています。こちらはテクスチャーだけでなく塗装も施されています。 会場で Znug design の根津さんにお会いし、 マモリス を被って一緒に写真を撮りました。 以前NHKの番組で同じ枠で放送されましたねぇ~といわれるまで、そのことすっかり忘れていました(汗 マモリスは普段は椅子として使っている背もたれ部分がいざというときはヘルメットになり、さらに背骨の一部までカバーしてくれるという製品です。 よくよく考えたらヘルメットって、すごく邪魔なんですよね。。。机の下にあったりすると、丸い形状なので段ボールとか書類とかおけなくって・・・って机の下にそういうの置いちゃだめですよねw 上の写真はコンテナ展示の TOKYO MAKER の毛利さんと息子さんを3Dスキャナで3Dデータ化し、3Dプリンタで出力した造形品。 TOKYO MAKERさんでは3Dプリンタでないとできない形状など、面白いアイデアで製作された製品が多く展示されており、さらに値札もついているので、もしこれを買うといくらするのか・・・というのも参考になるのではないかと思います。(実際に買うこともできるかは責任者に相談してみてください) 会

TOKYO DESIGNERS WEEK2013

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10/26~11/4の期間、 TOKYO DESIGNERS WEEK2013 が開催されます。 今年は10日間と長めですね。 私たちが関わっているプロジェクトも出展されます。 http://www.tdwa.com/2013/exhibitors/ RAPIRO RAPIROは現在製作中のロボットキットになります。 弊社では金型の製作を急ピッチで進めています。 会場では、BODYと基盤の組立、プログラムを組み込んだ試作品で、実際に動く様子が見られます。 RAPIROは拡張性が高いので、塗装やオリジナルパーツを自分で工夫して取り付けたりしたら楽しいでしょうね。 株式会社資生堂 × DICカラーデザイン株式会社 DICカラーデザイン様とは樹脂成形品のサンプルプレートを製作しています。 ケイズデザインラボの31日にはケイズデザインラボの原社長、ジャーナリストの林信行さんの対談も企画されています。 10/31thu 15:00-16:00 DIC カラーデザイン(株) 3D プリンティング。過去、現在、そして未来 お越しになる方のために、お得な割引情報 <Facebook割引> TDW2013への応援メッセージを手に持ち撮影した画像をfacebookに投稿し、そのFB画面を入口で提示すると、入場料が2500円 → 1,500円になります。 メッセージには「TOKYO DESIGNERS WEEK」 投稿する際の文章には、ハッシュタグ「#TDWエール #割引」と 記載してください。 ※本人確認の為、 顔が分かる画像に限らせていただきます。 <ナイト割引> 10月28日(月)、29日(火)、30日(水)、31日(木)の18時以降 入場料が1,500円になります。 <親割引> 親子で、アート・デザイン・音楽に触れてみませんか。 親子でご来場いただくと、入場料が割引になります。 2500→1500円(親1名で来場) 5000→2000円(親2名で来場)  ※小学生以下のお子様が対象となります(1歳未満の乳児を除く) <学生割引>  大学生 1,500円、高校生 1,000円、中学生500円 学生証を提示すると、入場料が割引になります。 <Halloween割> 10

町工場物語認定授与式

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葛飾区では、優れた技術や製品に対して 葛飾ブランドとして葛飾町工場物語 に認定される制度があります。 今回は 「Resiina」 が審査対象になり、審査の結果、認定していただくことになりました。 10/19はこの認定授与式が行われ、参加してきました。 全員集合での集合写真 受賞の様子 こういう場になれていないため、自分でも凄く動きが硬かったのを覚えています。 ちなみに写真、壇上の企業ロゴにある「ミヨシ油脂」はうちの会社とは関係ないのですが・・・偶然にも真ん中に写っていますね。 受賞後のスピーチ 葛飾区に優れた製品としてを認定していただいたのは本当にありがたいことです。 Resiinaは立体で角RやC面を確認できる便利なツール です。 必要としている人にもっと広く知ってもらえるよう、今後も活動していきたいと思います。 しかし、緊張のせいか身長のせいか・・・マイクの位置が高いですねw

松屋銀座 手仕事直売所でResiina販売しています

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9/26~10/1で開催されている手仕事直売所にBRANCHさんのブースでResiinaを販売しています。 銀座手仕事直売所サイト ・・・例によって告知が遅くなり、こういうところの詰めの甘さを反省しています・・・・ ともあれ、本日最終日は午後から私もいつもの仕事着でブースに立ちますのでお近くにお寄りの際はぜひお越しください。 最終日の本日は17時までとなっています。 陶磁器や木材を使用したこだわりの品が多く、見ているだけでも楽しめる販売会場になっています。 良いものを見ると、刺激になりますね。 この刺激は自身のものづくりにも反映させたいと思います。 写真はブース内で撮った写真 左から海内工業の湊さん、真ん中BRANCH代表前川さん、右杉山耕治

エコアクション21フォローアップ研修会

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9月5日はエコアクション21フォローアップ研修会でお話する機会をいただきました。 今回は1回目ということもあり、運営側も大変だっと思います。 定員50名と聞き、集まるか不安でしたが、後で聞いてみたら10社以上断ったと聞き、関心の高さを感じました。 今までの導入セミナーとは違い、実際に取得されている企業が参加するということで、事例を多めに、環境マネジメントシステム導入とコスト削減は活用次第では有用だという話をしようと思っていました。 ・・・練習不足と時間調整不足で、一番伝えたいところを飛ばし気味に話してしまったのが心残りです。 講演後に「共感しました」とおっしゃる方もおり、やはりみんな同じような課題があるんだなと感じました。 終盤はグループ討議でテーマに沿っての話し合いが行われました。 話を聞いてみると、環境負荷低減と経営的に固定費の削減や流動費が減らす仕組みなど、どの企業も運用していくうちに同じ方向になるように感じました。 残念なのは、経営者が環境マネジメントシステムが環境負荷低減だけでなく、コスト削減や業務改善に役に立つことに気づいていないことだと感じました。 コンプライアンスのための環境マネジメントシステムではなく、自社内を業務改善という視点で取り組めると良いんですけどね。 冒頭に、関東経済産業局、資源エネルギー部の原山さんから環境経営についてのお話がありました。頂いた冊子には業務改善のヒントが至る所にありました。 (せっかくなので、次回以降の環境目標に何個か取り入れようと思います) 付け焼刃ではなく、日ごろから少しずつでも取り組んで、環境に対する意識向上と習慣化していくことが大切なことですね。

代官山TSUTAYAでResiina買えます(8/28~8/31の4日間限定)

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8/28~8/31の4日間、 Coiney さんのイベント 「Coiney X Store」 が DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERY で開催されています。 ここで BRANCH 商品も購入できます。 昼間でも多くの人が足を止めて見ていかれていました。 BRANCH商品として 弊社のチョコレート型立体R、C形状サンプル 「Resiina」 精密すぎて3分以上回ると話題の 「SEIMITSU COMA」 ガルウィングのような蓋の開きを動かしてみると凄く欲しくなる 「FLIP」 急なおもてなしにスマートに使える 「紙の箸置き」 見た目も曲線も美しいおにぎりが二個入る 「ONIGIRI Dome」 等が展示販売されています。 ご購入の際、決済はCoineyで。 同じ会場では、 ケイズデザインラボ さんも実演出展しており、3Dプリンターも販売されています。 そして、なんと。 Coineyで米テスラ車の電気自動車まで! デザインも美しいですね。 充電する場所は 実はテールランプの脇なんです。 これは驚きました。 少し離れたTSUTAYAの建物の中に・・・ ツナグデザインの電動バイク、「zeCOO」も展示されています。 道行く人が写真を撮っていました。 開催は8/31までになります。 お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

Yahoo!JAPAN石巻復興ベースに行ってきました

6/29~30の二日間、Yahoo!JAPAN石巻復興ベースで行われたYahoo!JAPANと山形大学が行ったHACK U、HACKATHONにお邪魔しました。 6/29に製造業として、製造にかかわるお話を経歴や共同開発した Resiina 、今後展開していく RAPIRO と合わせてお話させていただきました。 私の話は、色々話したくて要点がぼやけてしまい、わかりづらいプレゼンになってしまったと終わってから一人反省しました。 山形大学の学生たちが限られた時間の中で、積極的に情報を収集、整理していきました。 29日発表の時点では、これはちょっと伝わりづらいかな~と思っていた内容も最後のプレゼンでは今後の課題と展開をきちんと論理的にまとめており、あの短期間であれだけの内容にまとめあげるのは社会人でも普段の業務では難しいのではないかと感じました。 プレゼン聞きながら、そこ詰めてきたかー!と感心するポイントが沢山ありました。 途中で山形大学の先生方が、色々指摘したことは社会に出たら同じような指摘をされるものであり、きつい指摘と感じたかもしれませんが、そういう機会に触れられたことは、今後も役に立つと思います。良い指導者で恵まれていますね。 学生たちの「加速」をみていると、私たちが通常の業務で生じる「慣れ」が恥ずかしく感じました。学生たちから大いに学ぶことがある二日間でした。 Yahoo!JAPANのプレゼンはどのチームもさすがだなと思いました。 「流れ」や「ここがポイントだ!」というのが非常にわかりやすいプレゼンでした。 開発している人たちが楽しみながら企画したものは、こちらにも企画の楽しさが伝わってきました。 2013年11月3日(日)に開催される ツール・ド・東北 2013 in 宮城・三陸(Tour De Tohoku 2013 Miyagi-Sanriku) http://tourdetohoku.yahoo.co.jp/2013/ 今日出た企画から4か月という期間でどこまで内容が進化するかが楽しみです。 Yahoo!JAPANの皆さん、山形大学の皆さん、招待してくれた柳澤さんには2日間お世話になりました。貴重な体験をさせていただき感謝しています。 明日からは株式会社ミヨシも32期に入ります。 得た経験は上手に経営に

機械要素技術展2013に出展しました

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6/19~6/21にビッグサイトでで開催された機械要素技術展に葛飾区ブース内で出展いたしました。 弊社の仕事は、受注生産での試作品製作、研究開発用製品の製作などが多く、今まではなかなか自社の技術をアピールできるものが展示できませんでした。 今回の展示会では ・流動性評価用金型を用いての成形試験結果 ・音を楽しむPOKI2 スライド金型と成形品の展示 ・チョコレート型立体形状見本 Resiina の展示を行いました。 コネクタやジャンクションボックスなどの精密で複雑な形状を小ロットで短い工期で製作することが弊社の強みですが、お客様が開発している最中のものを展示するわけにはいきません。 今回は、自社内で製作した物だけを展示したので、受注生産で行う製品の展示に比べインパクトは劣りますが、自社内での取り組みをアピールすることができたと考えています。 会場に葛飾区長も来場していただき、弊社の取り組みも視察していただきました。 写真は弊社会長 杉山文夫 と 青木克徳 葛飾区長 今回嬉しかったのは初めてお会いした方でも、自社内の取り組みや今後の方向性について話した時に共感してくれた方が多かったことです。 中には、元々何もつながりはないのですが私たちのことをどこかで知り、会いに来てくれた方が数名いたことも嬉しい出来事の一つでした。 展示会で技術を見たからといきなり信用して仕事をお願いするのは非常に難しいと思います。 こうやって展示会を出し続けることにより、人とつながれることに幸せを感じました。 少しずつですが、社内の取り組みを知っていただき、社会の役に立てるよう研鑽していきたいと思います。

求人募集を開始しました

ミヨシでは求人募集を開始しました。 求人内容はこちら http://www.miyoshi-mf.co.jp/rec/index.html 仕事にたずさわる時間は1日8時間、一週間で40時間が一般的です。 起きている時間の半分以上ということになりますね。 こんなに多くの時間を費やす仕事が、やりたくないものだったら半分以上の生活時間を有効に活用していないことになります。 であれば、自分が考える理念や生きる目的にマッチングできる仕事を選んだ方が幸せなのではないかなと思います。 私は学生時代は成績も素行も悪く、とてもとても出来る子とはいえる存在ではありませんでした。 そんな中、自分が何のために生きているのかを考えていくうちに、働くようになったら人の役に立つ仕事がしたいと思うようになりました。 環境関係の仕事、ごみを減らす仕事がしたい。ごみとして捨てられたもののエネルギーを再利用することを考えたい!と思い、前職に就職しました。 その後、事業継承のために現職、ミヨシに入社しました。 ものづくりの仕事もごみ処理の仕事も環境に関わることが多く、人の役に立つ仕事である、ということは共通して言えることだと考えています。 ものづくりの仕事はたくさん覚えることもありますし、ここまでいったら終わりというゴールもなく、はっきりいって大変、苦しいと思うこともたくさんあると思います。 それでも、ものができあがった時は、つくりった人にしか味わえない達成感と喜びがあります。 苦しい時こそ、「自分が何のために仕事をするのか」をはっきりと、胸にしまいながら 目標に向かって動いていくことが大切だとおもいます。 ミヨシの仕事をすることによって幸せだと感じてくれる人と巡り合えることを願っています。

金型の摺合せ

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私たちが作る金型には、複雑な形状が入り組んでおり、摺り合わせという作業が必要な形状もあります。 ここでの摺り合わせとは、金型が閉まる時に擦れ合う部分を調正せする作業の事をさします。   擦れ合う面積や距離が長い場合、さらに複雑である場合、何度も行われる金型開閉に耐えるためには、最後に調整をする必要が出てきます。 調整の方法として、金型の合わせを光明丹をつけて確認します。 摺り合わせて、当たりが強い部分は、黒くなります。 当たりの強い黒くなった部分を、やすりや砥石などで少しずつ減らして、調整していきます。 赤あたりを調整したら、今度は感触を確かめます。 組み込んだ時の「ざらっ」とした感じや、「くっ」と抵抗があるかを指先の感触で確かめます。 感触で確かめるのは大きさにも限度があり、小さいものほど難しくなります。 ただやみくもに探して調整するのではなく、機構上保持する部分と逃がせる(製品面に出なくて形状を保たなくても良い)部分を判断しながら少しずつ調整します。 この時、頭の中は「樹脂がどのように回ってくるか」とか「熱膨張すると動き渋くなるかな」とか「どちらの方から圧力がかかるかな」など、金型に組み込んだ状態で樹脂を充填したときのことを想像しながら作業をします。 頭の中で想像するには、多くの 失敗 経験が役に立ちます。 こうして摺り合わせた金型の部品(入れ駒)は最終的には何の抵抗もなく、スッと入るようにしてから金型に組み込みます。クリアランスは概ね5μmくらいになるでしょうか。 摺り合わせのような調整作業が無くせるように、前工程の切削加工や放電加工後を精度良く仕上げ、そのまま調整なしで金型を組みつけられるようにすることが最も効率の良い作り方と言えます。 私としては仕上げをしている時が、前工程の作業の改善を考えたり、金型を触りながらしっかり金型と向き合える時間なので、大切にしたい作業でもあります。 魂というか、念というか、思いを込める時間とも言えますね。 職人は見て覚えると言いますが、私は自社でこのような作業を教わったのではなく、他社のベテラン金型技術者に自分の考えを伝えてはダメだしされながら、色々な事を知るきっかけをもらってきました。 忙しいのに

【工場見学】鋳造 錦正工業株式会社

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4/16は栃木県那須塩原市にある 錦正工業株式会社 を見学してきました。 会社に着き、永森社長から座学で鋳造工程の説明を受けました。 いつの間にか鉄の組織の話から鉄の状態図の話題になり、フェライト、マンガン鉄、鋼の定義、炭素含有率による強度の変化などかなり深い話になっていきました。 状態図を使って、焼き入れや組織変形しないで残留応力を除去する温度域についてはわかりやすく説明して頂いたと思います。 鉄の溶解温度を下げるためには炭素を入れることが有効(入れすぎはもろくなる)という技術は、電気炉がない時代のたたら場では色々な試行錯誤で行われていたことと思います。 当時の苦労を想像すれば、今ある技術と調べればわかる環境にありがたさを感じました。 ダクタイル鋳鉄の組成に必要な物性など、今まで知らなかった内容も聞くことができ個人的には凄く楽しい座学となりました。 座学の後はいよいよ工場見学です。 まず、社員の皆さんがはっきりとした大きな声であいさつしてくれたのが印象的でした。 忙しい中、工場見学をさせて頂いて申し訳ないと思うところで、笑顔で挨拶してくれるとこちらも嬉しくなりますね。 鋳鉄の溶融工程や砂型のセッティング、中子の配置方法など分野の違う金型構造は大変勉強になりました。今まで資料などで目にしていた「中子」のセッティング方法、「押し湯」の役割と形状、「冷やし金」の役割など鋳造品を前にして説明して頂くことによりイメージがしっかり焼付きました。 配置や形状にはノウハウがありそうですが、役割が分かったことと使用後はどのようになるのかが理解できました。 百聞は一見にしかずとはこのような事を言うのでしょうね。 工場ではプーリの鋳造と、鋳造後の切削加工も行われていました。 錦正工業さんの商品であるプーリは、小ロットにも対応できるよう切削工程がうまく工夫されていました。 加工現場では不良品置き場があり、私は加工工程よりもそちらの方が気になりました。 不良品というものは人間の心理として、直ぐに消し去りたいものであり人目に付くところに置くのは敬遠しがちです。 しかし、失敗から目を背けてはなかなか成長はできません。 人目のつく通路わきに不良品BOXがあるのは、水平展開もでき非常に良い環境だと感じました。 作った

技術士2次試験 セミナーを開催しました

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4月6日に機械機械振興会館で技術士機械部有志による 技術士二次試験にチャレンジと題したセミナーを行いました。 当日は気象庁も「外出は控えてください」というように 開催前から悪天候が報じられ、遠方からは参加できない方もいらっしゃいました。 このセミナーは、技術士の試験制度があまりにも広範囲で、かつ難易度が高いため技術士を目指す人を応援する趣旨で開催されました。 戦車、自動車、ロボットのスペシャリストと私の4名が講演しました。 私は昨年に続き2回目の講師です。 私以外、講師3名のプレゼンは今回の企画ではなく、本業で聞いてみたくなるほど素晴らしく理論立てた内容でした。 個人的な考えですが 技術とは人を幸せにも不幸にもできる力だと考えています。 技術力のある人間が偏った倫理観や、私利私欲に物事を考え、培った技術を地球や人類の財産に損害を与えるようなことはあってはならないことだと思います。 技術力のある人間が適正な技術の使い方をし、社会から認められ、相応の地位を築き、人類や地球の発展のためになることが本来の技術の使い方だと考えています。 技術は私たちが生まれるはるか昔から先駆者たちが苦労しながら培ったものであり、私たちの役割は後世にきちんとバトンタッチすることだとも考えています。 正しい倫理観や、考え方は技術士となった今でもまだまだ不十分だと思います。 故に、技術士になった人には継続的な研鑽が義務付けられているのでしょう。 今回参加した人が技術士に合格して、技術士として社会の為にできることは何かを一緒に考える仲間が増えることを期待しています。 技術士試験は半年続きます。 どのようにモチベーションを維持しながら勉強するかが大切です。 (自分との闘いですね。) 新試験制度になって、手探りな部分はあるかと思いますが、合格目指して頑張ってください! 講演の内容は練習よりもかなりオーバーして帰って反省しました。。。

ミラノサローネまであと少し

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やっぱ曲線が凄い。 作っている側から見ても、こんな形状自分たちではモデリングしないよね。 ここ最近、そんな話をしながら作っているものがあります。 現在、 Triple Bottom Line の柳澤郷司氏の作品製作のお手伝いをしています。 最初の出会いは 渋谷ヒカリエ、Creative Lounge MOV aiiimaで行ったBRANCHと町工場展 でした。 その後、昨年末に開催されたエコプロダクツで講演されているときに再会し、いろいろお話を伺い環境に対する考え方が素晴らしいと感じたものでした。 環境に配慮したプロダクトについては同じ時間を共有しながら、色々と学ばせて頂いています。 柳澤さんが製作しているOLEDライトなどの作品は サローネサテリテ (2013年4月9日~14日までイタリアミラノで開催)で展示されます。 今日は各パーツの組み付け確認でした。 何とか組付けは出来たものの、一部改善点が出たのと、追加部品が必要になりました。 柳澤さんは会場設置のためにまもなく出発しなければなりません。 追加の製作物は、弊社の宮谷にハンドキャリーで持って行ってもらうことにしました。 寝袋持って。 後日、イタリアミラノから宮谷の更新があることでしょう(ニヤリッ お楽しみに。

今年から技術士二次試験の試験制度が変わります

今年も4月に入ると技術士二次試験の試験申し込みが始まります。 今年から試験制度が変わることになりました。 大きな変更点としては 1.筆記試験で記述(論文)3本から2本に減り、択一式の試験が入る 2.願書には業務経歴表に加えて業務内容の詳細を記入する。  ⇒筆記試験合格後の論文提出はなくなる といったところでしょうか。 この変更点から、流体、熱、材料力学などの専門的な知識と課題解決能力のバランスを取り、なおかつ願書出願時に自分の専門分野の見直しを図るものではないかなと考えています。 私見ですが、若い人にもどんどんチャレンジしてほしいという観点から、記述試験の一部が択一試験に変わったのでは、と考えています。 学生時代に勉強したことを覚えているうちは、択一式は有利なのではないかなと思います。 ということで、技術士機械部有志ではこれから技術士になろうという技術者を応援する趣旨で行事を企画しました。 2013年4月「技術士第2次試験にチャレンジ!」 日 時:2013年4月6日(土) 13:00~講座~17:30~懇親会~19:00 場 所:機械振興会館 6階6D-4室 技術士第2次試験にチャレンジ!2013 講座 私のお話しさせていただく主なポイントは、願書提出時に迷うであろう、業務経歴票の書き方と業務内容の詳細についてになります。 経験年数が少ない場合は不安がいっぱい(私もそうでした)だと思うので、参考にしていただけたらと思います。 講師は私以外は方々は、数々の実績を残されている素晴らしい方たちなので、私もお話聞くのを楽しみにしています。 ・・・まだ資料作りに着手していないのはここだけの話ですけどね。

産学公連携推進シンポジウム

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今日は葛飾区が開催した産学公連携推進シンポジウムに参加してきました。 こういう催しを日曜日に行うのは珍しい気もしますが、平日業務を行わなければならない町工場の経営者としては、参加しやすいとも感じました。 来月から葛飾区金町に東京理科大学のキャンパスが開設されることで、葛飾区と東京理科大学、昨年から足立区にキャンパスを開設された東京電機大学、さらに産業技術研究所による、産学公連携の取り組み方、実績、展望などが講演されました。 基調講演として登壇された東京理科大学学長、藤嶋先生の光触媒による社会的な実績や技術者に向けてのメッセージは非常に心に残りました。 光触媒は1972年に研究発表されて以来、様々な分野で活用されています。 ノーベル賞を受賞してもおかしくないような功績に思えました。 講演の中にあった「沢山の良書を読む」というお話は、最近忙しいという理由で本を読むことから離れている私にとって、反省する良いきっかけを頂いたと思います。 学問や研究は社会の役に立ってこそ初めて意味をなすものだと思います。 私たち産業に携わる者として、どのように関われるかもこれから考えていきます。 懇親会では区内で活躍されている企業ともお話しすることができ、有意義な時間を過ごせました。 明日からも頑張ります。