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捨てられないパッケージを目指して

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チョコレート型の立体サンプル製作を進めていきながら、パッケージのデザインも進めていきました。 パッケージは製品を販売するためにはとても大切ですが、パッケージが欲しくて購入するのではなくあくまでも製品を販売することを目的とするため、製品購入されたらパッケージが捨てられてしまいます。 私は商品を購入した人たちがパッケージを捨てることを想像し、何とかできないかと考えてBRANCHメンバーには「パッケージも捨てられないものを作りたい」と かなりわがままを言いました。 デザインの力で捨てられないものをつくる みんなで何度も話し合いを重ねパッケージのデザインと試作を繰り返しました。 ・色 ・グラフィック ・表示されている文字 ・フォント ・パッケージの形 日本に限らず海外のチョコレートを買ってきて分析したり、メッセージをどのように伝えるか考えたり、何度も話し合いを重ねました。 生産者の顔が分かるパッケージが良いのでは?との意見からプラスチックのペレットを手に持った写真を撮影しパッケージに反映させて様々なサンプルを作成しました。 パッケージの試作品 パッケージ内に生産者の画像を入れるも採用されず いくつものサンプルを作ってもらったもののすべて不採用に。 更に違うデザインでパッケージを試作してもらってきましたがこの画像に移っているパッケージもすべて不採用。 パッケージデザインだけで50以上は見てきました。おそらくデザイナー側で作ってはみたものの表に出していないものもあると思います。 そうやっていくつものサンプル製作を経て出来上がったのが現在のパッケージです。 パッケージの赤と白でできている部分は製品をくるむ帯です。 この帯の部分は製品購入後捨てられてしまいます。 しかし、捨てられないパッケージにするために帯の部分を封筒にしています。 封筒にすることで、製品を開封した後もこのパッケージに入れて保管できるようにしています。 さらに普段私たちが何げなく目にしている製品の表記の部分にもメッセージが隠されています。 原材料はABS樹脂です。 そしてこの製品の内容量(重量)は40gです。 エネルギーと書かれているのは食べたとき得られるカロリーではなく、燃やした時のカロリーを表記しています。 つまりこの製品は捨てて燃やすとおおよそ344kcal分環境に負荷を与えてしまいます。だから、すぐに捨てず...

チョコレートができるまで

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 デザイナーからチョコレート型の1回目の3Dモデルが届きました。 その時の感想は「楽しい、ワクワクする形状」でした。 しかし、最初のモデルでこの製品が出来上がったわけではありません。 結論からお伝えすると販売されている最終形状になるまでに実に24回もモデル修正を繰り返していました。 最初に渋谷ヒカリエで構想を考えてから製品ができるまで、10か月を要し、製品形状が今の形になるまで様々な話し合いをしてきました。 ・本体の形状 ・色 ・表面のR表記をどのようにするか ・裏面をどのようにするか ・突き出しピンをどこに配置するか ・ゲートをどこに配置しどのように処理するか 製品形状を確定させて金型を起工する前に、立体で現物を見ながら議論するため社内で樹脂の切削品を製作しました。 ABSの板材から切削加工でモックアップ作成 塗装前に色合わせ モックアップ品に塗装処理 色もチョコレートの色に近い色にするべく色を整え塗装していきました。 3Dモデルではなく実際の大きさを立体で見るとやはりイメージが湧きますね。 ある日、外出から帰ると私の机の上に塗装前と塗装後のチョコレートが置いてありました。 本物と比べるためにか、一緒にパッケージから少し出されたチョコレートが置いてありました。 やっぱり本物のチョコレートと見比べるのも大切だよなーと思ってよく見たらパッケージに入っているチョコレートもプラスチック製のモックアップ品でした。 すっかり騙されました・・・ 銀紙でチョコレートの形を浮きだたせて本物に近づけているあたり、いたずら心を感じました。 あーやられたーと思いながらも一人でにやにや笑っていたのを今でも覚えています。 悪ふざけしながらも楽しくものづくりができるのは良い仲間に恵まれていたからだと思います。 何度か試作していくうちにいよいよ金型を製作することになりました。 それと並行してパッケージも製作していきました。 「 捨てられないパッケージを目指して 」につづく

BRANCHと一緒に再スタート

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 Rサンプルはあれば便利で必要なものではあるものの、どうすれば大切に使ってもらえるか悩んでいました。 その時、渋谷ヒカリエで「BRANCHと町工場」と題して展示会を開催しミヨシも一緒に出展していました。 展示会開催中に一緒にブースに立っていたデザイナーに「チョコレートの形で12区画のRを作ると面白いのでは」と言い、その場でスケッチしてくれました。 そのことをきっかけに、そのデザイナーさんとBRANCHとミヨシとでチョコレートの形で立体サンプルを製作することにしました。 当時はチョコレートの形なら複雑ではないしそれほど難しくないかな。 と、甘く考えていました。 デザイナーと一緒にモノづくりをすることがとても大変でその代わりとても良いものができることをこのあと知ることになったのです。 「 チョコレートができるまで 」につづく

立体Rサンプルを作って配布

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 「立体で確認できる R サンプルを製作すれば設計者やデザイナーと認識のずれを減らせるはず」   そう考えた私はすぐに立体の R サンプルを製作しました。   ・ R のサンプルは一番使用頻度の多い R0.5 を中心値にして0 .1_0.2_0.3_0.4_0.5_1.0_1.5_2.0 の 8 種類が確認できる形状 ・机の中に入れても邪魔にならない名刺サイズ ・厚みも極力必要最低限にしつつ外角 R と根本 R が分かるサンプル ・ノベルティとして配るので会社のことを思い出してもらえるようロゴと電話番号を記載 ・持ち運びしやすいよう紐が通せる穴を設ける ・ヒケ(樹脂の収縮)が発生すると実際の大きさと異なるので肉厚 2.5mm 以上になる部分は裏側を肉抜き 立体Rサンプル表 立体Rサンプル裏 3Dモデルを作成した後、すぐに社内で金型製作に入りました。 出来上がった製品を見て、 R を立体確認するだけなら十分だなと感じました。   取引先のお客様のもとに足を運んだ際にこの R サンプルを渡して打ち合わせして、お客様にも「便利だね」と評価していただきました。 立体Rサンプル しかし、 R サンプルを渡したお客様から「なくしちゃったよ」という話を聞き、便利であっても大切にされないものを作るのでは、ごみを作っているのと同じであり私たちが目指す「捨てられないものづくり」と真逆であると気付きました。 Rサンプルを使う人に大切にしてもらえるようにしたいと考えました。 私たちはものを作る技術はありますが、使う人の気持ちに寄り添ったデザインを考えることは苦手でした。 その後もサンプルは配布し続けましたが製作した当初のようなポジティブな気持ちではなく、大切にされないのではないかというネガティブな気持ちを抱えていました。 「 BRANCHと一緒に再スタート 」につづく

Resiinaを作るきっかけ

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チョコレート型の立体サンプル「Resiina」は開発、製造を開始して今年でちょうど10年を迎えます。 そこでResiinaの製作時のお話を書いていきたいと思います。 今回は「なぜ立体サンプルが必要になったのか」についてのお話です。 この製品を作るきっかけは二つ問題を解決したいと思ったことでした。 ・出来上がりの製品の角のRやCがデザイナー、設計者が想像していたものと乖離があった ・加工コストを下げるためにRやCの大きさ変更を提案したが、提案先でイメージしきれず高コストな加工を行ったことがあった いずれも、良いものづくりをしたいと考えている設計者デザイナーと加工者にお互いにとって何とかしたい課題でした。 そもそも、図面や3Dモデルで形状確認はできているが 実際の大きさでRとCは正しく認識できているのか という事が気になりました。 PCで操作するCADで作成する図面や3Dモデルは拡大縮小が容易にできる モニター上では実物の大きさが把握しづらい 加工側の私たちは出来上がったものを目で見て、手で触って確認することができるため実際の大きさを把握できる機会があります。 しかし、設計者やデザイナーは現物を確認する機会が私たち加工者と比べて少ないことに気づきました。 そこで、お互いの認識を近づけるために 目で見て、手で触って確認ができる立体サンプルを作ることにしました 。 「 立体Rサンプルを作って配布 」につづく

地球温暖化についての話し合い

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 ご無沙汰しています だいぶさぼってしまいました(汗 今日は金型製作や成形の話ではなく環境関係のお話です ミヨシは葛飾区の環境に関わる話し合い「葛飾区地球温暖化対策地域協議会」の委員として活動しています。 昨日、5/17は協議会の会議がありました。 自然環境、なんとなく悪い方向に向かっているように感じていても、明日いきなり自分たちが生活できなくなるわけではないため、危機感を感じづらいですよね。 昨日は協議会でお話聞いてとても勉強になったことがあるのでこの場で共有します。 まず、世界の温度上昇、日本の温度上昇、東京の温度上昇がそれぞれ異なることは知っていますか? 100年で 世界:0.74℃ 日本:1.30℃ 東京:2.6℃ 上昇しているそうです 東京が他に比べて上昇度合いが大きいのは地形や建造物が関係しているのでしょうか。 他よりも上昇率が高いのは留意した方が良いかもしれませんね。 桜の開花時期も気温上昇に伴い影響が出ているようです。 私が小学生だった1980年代は卒業式のころには桜は咲き始めるかどうか、入学式の頃は満開の桜の下で記念撮影をしたように記憶しています。 しかし、40年で桜の開花時期はかなり早くなってきており、ここ10年くらいでは 「入学式まで桜の花が散らずに残っていてくれればいいね」 と話しているような気がします。 植物は環境の変化に素直に反応するもんですね。 この桜の開花が早まる原因は温暖化であり、温暖化の原因の一つに温室効果ガスと言われる二酸化炭素の量が増えていることがあげられます。 大気に占める二酸化炭素の割合は現代では0.04%だそうです。 たったの0.04%しかないのに影響あるの? 私はそう思いました。 しかし、1750年頃は278ppmつまり0.0278%だったようです。 たとえ、大気中0.04%しか締めない割合でも濃度上昇率は大きく影響も大きいようです。 二酸化炭素の量は年々増え続けているのが実情ですね。 折れ線グラフがジグザグしているのは夏は植物の光合成で二酸化炭素濃度が減り、冬には光合成量が減り二酸化炭素濃度が増えるためのようです。 そして、この温室効果ガスが増えることで地球の平均気温は上昇していきます。 地球の温度が上がると何が起きるのでしょうか。 氷が溶けて海水が増える。 それも正解ですがそれ以上に増える原因になるのが温度...