かつしかライブファクトリーのワークショップで製作するカップの準備【ワイヤー放電加工】

10月26日に実施する
かつしかライブファクトリー
https://www.katsushikalivefactory.com/

今回は当日実施するワークショップで使う材料のお話。

当日は3時間でワークショップ体験を行いますが、金型製作にかかわる全工程を実施するのは難しいため、事前に材料の準備などを行っています。


金型に使われる部材はワイヤー放電加工機で加工していきます。



ワイヤー放電加工機は線径0.25mmの真鍮製のワイヤーに電気を通しながら、金属類を溶かしながら狙った形状にくりぬいていく機械です。

下の写真で見える光は放電加工でスパークしている状態です。




使われる部材の精度は5μm(0.005mm)で作られています。

そんなに細かい精度で加工しなくても良いのではないか?
と疑問に思われる方もいるかもしれません。

射出成形用金型(プラスチック成形用金型)は精度よく作らなければならない理由があります。


それは製品の精度もさることながら、金型の性質が影響しています。

金型は分割して作って、最後に部品を組み付けて完成になります。
そのため、お互いの部品が0.001μmでも大きいと組めなくなります。
そこで各部品は、ほんの少しずつ小さく作らなければなりません。

しかし、お互い小さく作りすぎてしまうと、組んだときに隙間が生じ、溶かした樹脂が流れてきたときに隙間に入り込み、バリが発生してしまいます。

その隙間の許容値は樹脂にもよりますが0.02mm程度までです。
そのため、金型は精度よく作り組みあげ、適度なクリアランスがあるようにしなければなりません。



今回はかつしかライブファクトリーで2回ワークショップを実施するので、二回分の部材と事前に社内で検証するように+1個製作しています。

社員全員で、着々と準備を進めています。


おまけ
加工後、残った材料はこんな形になります。


杉山耕治

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