2014年12月24日水曜日

ドリルを研ぐ〜文系・未経験者の新人が綴るシリーズ

はさみやカッターでものを切るとき、すーーっとものを断つ。その「すーーっ」というのは誰に教わったでしょうか?
「頭で考えてもさっぱりわからないことも、身体が知っている。」
今回はそんな福音が聞こえてきたドリル研ぎについてご紹介です。



刃が傷んだドリルで金属に穴を空ける、これはとても仕事になるものではありません。
ドリルが傷んでくると、擦れが大きくなっていきます。そうするときれいなものを使うのと比べよほど時間がかかります。ドリル全体がブレて精度も悪くなり、ひどい時には煙をあげるなんてことも。

ドリルの先端はもともとこんなかたちです。
























これを丸い砥石が回転するグラインダーというこんな機械を使って研ぎます。








こんなかたちのもの同士をいったいどうやって研ぐのか。刃物はなんとなく想像がつきやすかったのですが、こちらは全く想像がつきませんでした。


会長、諸先輩のやり様を見よう見まねてとりあえず始めるしかありません。
「こう動かせばこういう形になる。」ということをひたすら繰り返しているうちに、だんだんそれなりの形にすることができるようになりました。


ただドリルというのは、ひとつひとつの形状に重要な意匠があるので、「それなりの形」ではお話になりません。
先端の角度は118°~120°。左右の厚みが均一でないと片方の刃しか当たらない。左右の中心がずれると刃ではない部分がぶつかる。「逃がし」をうまくつけないと刃が当たらない、切り屑が穴につまる。。。など、それらの条件をすべて同時にクリアしなければなりません。
テストでいうなら合格点は五科目すべて95点以上、それ以下は落第、という感じです。


ひとつのことに気をつけていると、もう一つがおろそかになって、もう一方に気をつけていると他のふたつが・・・

というループにしばらくはまっていましたが、突破口を発見したのははさみで紙を切っている時でした。
「すーって紙を切ってるけど、これなんでだろ?そういえば会長が『ドリルは感性で研ぐんだよ』って言ってたな。。。ドリルが切れる感じってどんなんだろ。。。」
という具合に考えて
とりあえず今まで覚えたことは半分忘れて、「砥石に穴をあける」という意識ですーすーっと研ぐと、完成度がぐっとあがりました。


うまくいったドリルは抵抗が少なくて切り屑がきれいです。



























社長のSNSでできばえをご紹介いただく光栄に預かりました。「へへへ(*^_^*)」と鼻が高くなりかけましたが、早速社長のお知り合いの方から、「左右の均等がもうちょっとだね」とコメントをいただきました。
左右の切り屑のわずかな違いで見抜かれてしまったようです。
やっぱりすごい方はすごいっす。

室田、これからも精進させていただきます。