採用についての考え方

求職者にとって就職活動や転職活動は人生の中でも大きな決断だと私は考えています。


会社側としては、求職者と会社の方向性が合っているか、求職者にとって自社の事業にやりがいを感じ、仕事をすることでその人の人生を豊かにすることができるかを見極める責任があると感じています。


働く目的

仕事の目的も人それぞれです。

とにかく生活費を得るためだけに仕事をしたいという人もいるでしょう。

マズローの欲求5段階のうち、生理的欲求(生活に必要最低限の欲求、ここでは生活費)を満たすためだけであれば、仕事は苦痛だけど我慢してやらなければならない場合があり、仕事を長く続けることが難しくなります。

仕事とは、仕事を通じて自身の行ったことを社会に発信し、人生の中での目標達成や自己実現の欲求を満たすものだと考えています。

自分のやりたいことが会社の方向性と違うと自己実現の欲求が満たされないばかりか、会社の方向性を変えようとするため、組織が機能しなくなります。


ミスマッチは会社と求職者、双方にとって良い結果に繋がりません。


ミスマッチを減らすために

会社として社員の満足度を上げることは大切ですし、待遇や福利厚生については常にその時代に合った最適解を探して行かなければなりません。

対応できることがあれば対応できないこともあります。

特に業務内容によって譲れないこともあります。

例えば弊社の場合は、開発品や試作品の製作を行います。

常に新しいことに挑戦するため、技術力の向上と働く人の資質向上は不可欠です。また、開発品や試作品はとにかく早く結果を出すことが求められます。そのため短納期であったり製作途中の仕様変更があります。変化を好まず、決められたことを淡々とこなし、責任をあまり持ちたくない人にとっては向かない職場です。

求人の時に「休みが多いとか」「居心地の良い空間」「残業が少ない」など、耳触りの良いことを伝えても、入社した後でミスマッチが生じてしまうため、会社の説明時にはリスクやデメリットはできるだけ伝えるようにしています。


会社組織と仕組みづくり

会社は個人では成し得ない目標であっても、同じ方向性の人が集まり活動することで目標を達成できる場だと考えています。働く人は誰一人として全く同じ境遇、全く同じ考えの人は存在しません。異なる考えでも方向性が同じであればお互いが協調し合い助け合うこともできます。

例えば、子育てで急に仕事を切り上げて子供の面倒を見なけれならないような人もいるでしょう。とにかく仕事をおぼえて自身の技能や知識を向上させて自己研鑽に時間を費やしたいという人もいるでしょう。

今までは、全員が一律同じ条件で働かなければならない規則でしたが今後は働く人の生活環境に合わせて働く場が提供できるような仕組みづくりが必要だと考えています。
その場に合わせて柔軟に対応・・・といのはあまり好ましくありません。事前に決められていない内容はお互い自分の都合の良いように解釈してしまうためです。社員同士が納得できる仕組み作りこそ働く人たちが安心して仕事に専念できる環境づくりに必要だと考えています。

異なる境遇の人がお互いに協力し合える場を作るのも大切なことで、そこには働いている人同士の理解も必要ですね。

今はその仕組みづくりを行っています。そしてその仕組みづくりはすぐにはできないため何度も社員と話し合いながら進めています。


大切なことは会社と働く人、それと、会社の事業を通して社会全体が幸せな未来に向かえるかどうかだと考えています。


杉山耕治