立体Rサンプルを作って配布

 「立体で確認できるRサンプルを製作すれば設計者やデザイナーと認識のずれを減らせるはず」

 そう考えた私はすぐに立体のRサンプルを製作しました。

 

Rのサンプルは一番使用頻度の多いR0.5を中心値にして0.1_0.2_0.3_0.4_0.5_1.0_1.5_2.08種類が確認できる形状

・机の中に入れても邪魔にならない名刺サイズ

・厚みも極力必要最低限にしつつ外角Rと根本Rが分かるサンプル

・ノベルティとして配るので会社のことを思い出してもらえるようロゴと電話番号を記載

・持ち運びしやすいよう紐が通せる穴を設ける

・ヒケ(樹脂の収縮)が発生すると実際の大きさと異なるので肉厚2.5mm以上になる部分は裏側を肉抜き

立体Rサンプル表

立体Rサンプル裏




3Dモデルを作成した後、すぐに社内で金型製作に入りました。

出来上がった製品を見て、Rを立体確認するだけなら十分だなと感じました。

 

取引先のお客様のもとに足を運んだ際にこのRサンプルを渡して打ち合わせして、お客様にも「便利だね」と評価していただきました。

立体Rサンプル


しかし、Rサンプルを渡したお客様から「なくしちゃったよ」という話を聞き、便利であっても大切にされないものを作るのでは、ごみを作っているのと同じであり私たちが目指す「捨てられないものづくり」と真逆であると気付きました。


Rサンプルを使う人に大切にしてもらえるようにしたいと考えました。

私たちはものを作る技術はありますが、使う人の気持ちに寄り添ったデザインを考えることは苦手でした。

その後もサンプルは配布し続けましたが製作した当初のようなポジティブな気持ちではなく、大切にされないのではないかというネガティブな気持ちを抱えていました。


BRANCHと一緒に再スタート」につづく

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