2011年3月3日木曜日

トイレ掃除と仕事

前回のトイレ掃除。


トイレ掃除に変なこだわりがあるのは、学生の時に
ガソリンスタンドでアルバイトを始めたばかりの頃に遡る。



始めたのは8月の暑い時期だった。


そこは業績加給制度を導入していて、各人の売上に応じて
その月の時給が変わるというシステムだった。

それ故か、新人に仕事を教える事は自分の収入にも影響するので
新しく入ってきた人に率先して仕事を教えるような雰囲気ではなかった。



そんな中、一番最初にきちんとやらせてもらえた仕事がトイレ掃除だった。

スタンドの所長から

「トイレ掃除は出来るか?」

という問いかけに、今までトイレ掃除はした事あるし
何でこんな質問をするんだろうと思いつつ私は

「はい、出来ます」

と答えた。

「じゃ、頼むわ。」

と言われ、掃除を始めた。
家のトイレも掃除した事はあるし、慣れない接客に比べると多少の自信はあった。

自分の思うように掃除をし、出来ましたと報告すると
所長は私が想像していたよりも苦い顔をしてトイレを見ていた。

そして言われたのが「やり直し」だった。


私はどこがダメだったのか分からないが、多分便器だろうと・・・
とにかく便器の中を綺麗に掃除していたのを覚えている。

終わって再度確認してもらったら、やはり合格は貰えなかった。



所長が掃除するから見てなさいと言われ、後ろで見ていた。

どこが駄目なのか分からず、一生懸命観察した。



8月の蒸し暑い中、所長が狭いトイレの中で汗をかきながら
もくもくと掃除をする姿を見て色々と思う所はあった。

どの順番で掃除をしたのか正確には覚えてないが,
今となってはその時見ていたやり方が、基本になっているのは間違いない。

入ったばかりで窓拭き一つも完璧に出来なかった私に対して
トイレ掃除で先輩達から一つの仕事をしている事を認められたのは凄く嬉しかった。

新しく後輩が入るまでは、出勤したらトイレ掃除から始める日が続いた。

時間の経過と共に仕事を教わり、出来る仕事は増えていった。
しかし売上が伸ばせるようになっても、トイレ掃除をやる時は初心にかえれた。



利益上げる事だけが仕事ではない。



他にも所長は気付けば人に指示するのではなく自分からやっていた。
人が見ていようがいまいが。
汚い仕事、人が嫌がる仕事を率先してやる事が、社会に貢献できる一歩だと
仕事の大切な部分を教わったと思っている。


トイレ掃除から始めたガソリンスタンドのアルバイトは3年以上続けさせてもらった。

今考えれば私にとって、トイレの神様は仕事の神様と仲が良いのかもしれない。

今でもトイレ掃除をする度にその時の事を思い出せる。
トイレはどの職場でも殆どある。
どんな職種に就こうと仕事の原点を思い出す事が出来るのだ。


私にとっての仕事の原点を作ってくれたガソリンスタンドの所長。

道標を作ってくれた人の一人。