2011年9月22日木曜日

樹脂の流れ

突然ですが

熱可塑性樹脂(プラスチック)は溶融状態では非ニュートン流体です。
粘性流体でせん断速度分布がニュートン流体と違う傾向にあり
ニュートン流体を基準とした流動解析などは適用しづらく
個々のプラスチックの粘性を確認したうえで圧力損失を考慮した流動解析が必要になる。


と、突然言われてもピンとこないですよね。



私達が扱っているプラスチック材料は
熱をかけて溶かして金型の中に流し込み、
金型の中で冷やして固めて、所定の形状の
製品をつくる。

これが成形と言われる作業なのだが
この樹脂というのは私たちが実生活の周りにある「水」のような
液体の流れと少し異なる。

そこで、成形という作業には、あらゆる形状の製品を作るにあたって、
毎回違った現象が起こり、問題が起きた時に素早く対処するためには、
相応の経験が必要になる。

しかし経験とはすぐに手に入るものではない。
そこで、解析ソフトなどに頼る事もある。


経験が足りないのであれば、観察は必要である。















上の写真は樹脂の流れの傾向が分かりやすく出ている。
右にあるほど材料は充填途中であり、形状が形成されていない。

写真下側から樹脂を流し込み、写真上の方向に向かって流れていき
壁にぶつかった事でうねうねした形状が形成されている。

注目すべきは傾向である。
















うねうねとまるでソフトクリームを上の方に流し込むかのように
樹脂が流れていき、樹脂を充填している付近はうねうねが形成された後に
一様に形が形成されている。

この現象をジェッティングと呼んでいるのだが、非常に悪い現象の一つ。
うねうねした部分に空間が開いているため、後から樹脂が流れて来ても
完全に空気が逃げなくなってしまう。
例え樹脂を思い切り押し込んだとしても、製品にうねうねの跡が残ってしまうのだ。

成形作業で圧力や流速の調整でジェッティングをコントロールするのは非常に難しい。

つまり成形の前工程で、この現象を防ぐ対策を講じる事が必要になる。
この現象が起こりうる形状や材料を予め知っていることにより
製品設計、金型設計での対策が可能になる。

冒頭に書いたように流動解析などを使用して傾向を探す事は
大事な工程の一つだ。
しかし、これに頼ることにより「考える」から「判断する」が多くなってしまっては
もったいない気がする。

起こった現象に対して観察と考察を繰り返すことにより、条件の違った環境でも
対応が出来るようになることが、良い製品を作る事につながると考えている。

  

毎日が観察と考察の繰り返しだ。



そして毎日が発見なのだ。



これだからものづくりはやめられない (*´∇`*)